アイドルは別腹

おなかがいっぱい、っていつ来るんだろう

変化についていけるのは特別なことだから

子供の頃、ドラえもんは生活にいて当たり前でした。欲しい道具もいっぱいあったし、なによりあの特徴的で優しい声は、いつだって頭に浮かぶほど当たり前なもので。「のび太くん」と優しく話しかけ、「ふふふ」って笑うドラえもんが大好きでした。

 

少し成長して、バレエのお稽古からバスで帰る時間とドラえもんの放送時間がかぶるようになり、ドラえもんから離れかけた頃、ドラえもんの声優さんたちが一気に変わることを知りました。

そして、初めて新しい声優陣でのドラえもんを見た時、それまでの人生でいちばんの衝撃を受けました。

 

わたしの知ってるドラえもんは、もうそこにいませんでした。もちろん、のび太も、しずかちゃんも、スネ夫も、ジャイアンも、のび太のパパとママも、知らない人たちでした。それを見た私は、

「こんなのドラえもんじゃない!」

と、一緒に観ていた母の前でそう言ったことをおぼえています。多分だけど当時、多くの子供達がテレビの前でそう口々に言ったんじゃないかな。

たとえばのび太は返事をするとき、「うん!」を「あぅん!」みたいな、形容できない、でもとってもかわいい言い方をするんだけど、そんなこともしなくなってて、のび太という名前の別人としか思えませんでした。

そしてなにより、大山のぶ代さんから出されるあのドラえもんの声がドラえもんから聞こえないなんて、わたしのなかではありえなさすぎたのです。偽物だ!と騒ぐわたしに母が、これからドラえもんを見る子供達には新しくなったドラえもんの声がドラえもんになるんだよ、と言ったけどそんなこと到底受け入れられませんでしたし正直どうでもいいと思いました。だってわたしはのぶ代さんの声のドラえもんを見て育った子供だったから。

それまでわたしの見ていたドラえもんは、みんなみんなみんな叶えてくれる、不思議なポッケでかなえてくれる素敵な存在だったけど、元に戻って!なんて願いだけは当たり前のように叶うことはありませんでした。

 

そしてちょうど、周りもわたしもドラえもんを卒業するような年代だったから、そのままわたしはドラえもんを見ることはなくなりました。新しいドラえもんが生活に入ってくることはありませんでした。もうさすがに今、CMとかでドラえもんの声を聞いてもそこまで違和感は感じないけど、やっぱりわたしの中では大山のぶ代さんの声のドラえもんドラえもんです。

 

 

で、この前置き何?って感じなんですけど、なんかふと、自分が好きなものに起こった変化をそのまま受け入れられるってめちゃくちゃ幸運だなと思ったんですよね。

 

早いものでもう、あと3ヶ月くらいすれば1月17日がやってきます。そんな中、9人になったSnow Manを応援できていることは、今考えればめちゃくちゃ幸運だなと思います。

「こんなのドラえもんじゃない!」 

と言った子供のわたし。

「こんなのSnow Manじゃない!」

と言った1月17日のわたし。

あれ??言うてること変わってないな、、、

 

ま、それはおいといて、まずわたしはどれだけ個人が好きでも、グループを好きになれなければその子の担当ではいられない人間です。

佐久間担になるまえ、わたしは神山担だったけど、デビューを機に7WESTのみんなはジャニーズWESTになりました。そして、その後わたしの中では7WESTが好きなんだという気持ちにジャニーズWESTを応援するぞ!って気持ちを勝たせられず、結果として神ちゃんの未来を見ていくことを諦めました。

初めて神ちゃんを松竹座で見たときに体に電流が走るような感覚を覚え、「この人をずっと見てたい!!!!!!」と思ったくせに、きっとこれからどんどん活躍するであろう神ちゃんを見ることより、いろんな理由でジャニーズWESTと歩むことがどうもできそうにない自分へのしんどさが勝ってしまったのです。

 

だからSnow Manの増員はまたあの時みたいになるのかなという考えを頭にちらっとよぎらせました。

ただ、たまたま康二はもともと大好きで、目黒くんも歌舞伎で見て素敵だなと思っていて、ラウちゃんに関しては知らなさすぎてこれから知ってくしかなく、そして6人が頑張る姿も変わらず見ていられるという、新しいものを好きになるに邪魔することはほぼないラッキーの連続が続き、9人のSnow Manがとにかく最高しかくれないので、わたしは今佐久間担で、Snow Manを大好きでいられて、決まったデビューを素直に心待ちにしていられています。何のたらればもなく。

でもそれは、決して当たり前じゃないよなあ、と思うのです。現にジャニーズWESTの時、わたしはできなかったから。ドラえもんだってそっから『STAND BY ME ドラえもん』まで見なかったわけだし。

 

もし、加入した子の中にどうしても好きになれない子がいたら。

愛着あるメンバーカラーが一新されていたら。

9人の雰囲気を好むことができなかったら。

何か1つ欠けていても、経験上わたしはすの担をおりていただろうと思います。佐久間くんを見ているのがどれだけわくわくすることでも、もしかしたらデビューするかもしれなくても、好きな子が所属する集団に愛着が持てずして彼を見ることはわたしには絶対無理だから。

 

だからこそ、デビュー決まってグループとしての形が確固となった9人のSnow Man(主に加入組)を、ファンとして攻撃をする人たちがまだある一定数、声が大きいことに驚きを覚えます。だって好きになれない事象が、好きな子のそばにあるのって絶対しんどいはずなのに、離れることできないんだなあ、、と自分ができないからかもしれないけど余計にそう思うわけです。

まあでもそうですよね。その場に自分の好きな子、いるんだもんね。

 

ただ、どんなことでもそうなんですけど、そもそも「傷つけられるきっかけ」は傷つけられる側が持ってることが多いですよね。

でも、そうかもしれないけど、それって「傷つけていい理由」には絶対ならない。例えそれがあなたが好きなものを守るための手段だとしても、それで傷つく人がいるなら、攻撃として見られるなら、もうそれは間違った方法ですよと思うわけです。

 

 

あ、「そういうのやめてください!」とか言うつもりはもともとありません。いや、やめたほうがいいとはもちろん思いますけどね。攻撃を受けていない側なので完全に「お前関係ないやん」案件なので、そこに割り込んで仲裁したいとかじゃなく、他人攻撃して、あるいは言われたことにいちいち言い返してまでファンやるんしんどくないんかなあ、と思うだけです。個人的にね。だって趣味だから、これ。まあ、今はSNSの普及した時代だからどんな声も大きく聞こえてしまうだけかもしれないんですけど。

 

あとたとえば、

「6人がよかった」

「宇宙にいて欲しかった」

「関ジュで頑張ってほしかった」

「同世代の子と頑張ってほしかった」

それを思うこと自体はもちろん自由です。それが他人への攻撃に変わりさえしなければね。

 

のぶ代さんのドラえもんが過去のものになったように、今の子供たちにとっては水田わさびさんのドラえもんドラえもんです。うちの母の言葉は何も間違ってなかった。

そして、これは別にSnow Manだけじゃないけど、過去は今の蓄積で、未来だけが常に前にあるんですよね。Snow Manが作る道を、ファンは後ろからついていくしかない。アイドルの歩む道は自分の人生ではないから、進路方向や道筋をファンが決めることは絶対にできない。

 

今を受け入れられないなら彼らが作る道をもう歩まないほうがいいとまでは言わないけれど、それをするなら間違ってもそこを歩く人に後ろから石を投げつけることはしてはいけないなと思うのです。

そんなことするくらいなら、過去と立ち止まった場所の往復だけにとどめたほうがずっと幸せでいられると思うんです。

 

わたしは今でもドラえもんの昔の映画をレンタルショップで借りて見ることがたまにあります。何度も同じ映画を見ます。結婚前夜、帰ってきたドラえもん、おばあちゃんの思い出、ぼくの生まれた日までをぶっ続けで見て目をパンパンに腫らすこともあります。

ドラえもんは今でもずっと、子供が好きなアニメの第一線にいるけど、それはもう違う世界の話で、わたしのドラえもん像はあそこで止まったままの姿です。

 

7WESTのみんながテレビで活躍してるのをみて嬉しくなることはありますけど、やっぱりDial Upときみまぼを歌う彼ら以上に素敵だと思う時間はきっとこれからも来ないです。どれだけおしゃれでお金のかかった衣装を着た姿を見かけても、7WESTがよく着ていた紫と黄色の衣装の姿に勝るものはわたしの中でありません。だから過去の映像をたまにちらっとみるだけです。

 

ただ、それは誰も人を傷つけないけど、

「昔の方が素敵だった」

なんて言葉を本人達に、今を応援する人たちにかけようとは微塵も思いません。

今を頑張る人に、それは1つの応援にもならないからです。

 

 

もし、加入した子をどうも好きになれなかったら。

増員した後の6人の態度が気に入らなかったら。

メンバーカラーも割り振り直します!と言われていたら。

6人がつくる雰囲気への愛に上回るものが私に作れなかったとしたら。

 

どれもすぐそばの、ありえたかもしれない未来です。

だからこそ、今こうやって毎日楽しくSnow Manが頑張る姿を見ていられることが本当に特別で幸運だなと思いました。

 

 

あ、ちなみに『STAND BY MEドラえもん』は最高の映画です。

夏休みの子供たちに混じって公開初日にティッシュとタオル握りしめて一人泣いてた女はわたしだよ!

 

 

書きながら聴いてた曲

半透明人間/back number

雨の遊園地/サスケ

プリズム/YUKI

WANTED! WANTED!/Mrs. GREEN APPLE

えりあし/aiko

またね/DREAMS COME TRUE

 

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